無事に入学式も終わり、それぞれ生徒は新しいクラスに戻った。


そして1-4の担任は自己紹介を始めた。

中島哲史はマラソンが趣味で陸上部の顧問をしてる

自己紹介というものには相応しくない長さで、独り言のように淡々と話しているが、誰も担任の余談なんて興味がないのであろう。


シャーペンを指でくるくるまわしたり
机の上にうつ伏せになり寝ていたり

プリントを片手で立てて
教壇に立ってる先生に
見つからないように携帯をいじくったり

爪の手入れをし始めたり
いきなり仲良くなった子とゲラゲラ笑ってみたり。

とても自由な時間である

みんな周りをキョロキョロして、人間観察している。



それでも中島先生は「この開成高校に来て5年目であり……」と、このような光景は慣れているので、誰に注意することなく次々に話を進めていく。


そうーーー。


この開成高校は、学区の中で下から2番目の学力レベルだった。


なので、真面目な学校かなんて問われれば言うまでもない。