いつまでも狭霧のはれない朝だ、まるで私の心のように……

そう思いながら向かう学校、足取りは重かった。


昨日、あれだけ美香と揉めた後に両親とあんなに揉めて

極め付けに進路を決める三者面談という訳で、


本格的に決めないといけない時期まできているのは、周りの子を見ていれば分かる。

部活も引退し、皆塾へと足を運んでいるし

模試?だとかの点数や内申点の話?
クラスでひきりなしに繰り返されている。


「はぁ……」


出てくるのはため息しかなくて、そしてなんだかずっと心の奥が締め付けられているように痛い。

進路……

私にそんなこと考える余裕なんて今はないし、何より今息することが必死なのに。


「おはよう~!!みずき~!!」


後ろから、よく聞く苦手な甲高い声が聞こえたかと思えば、私を追い越して走っていく。

そう、まるで私を視界にすらいれていないような、そんな感じで。

「え、あ~美香~!!」

みずきが振り向いた瞬間、みずきは私のことが視界に入ったのか、美香に何か言いたさげにしているし、なんなら私にまで何か訴えている目をしている。


去年まで一緒のクラスだったみずきも、きっと察知したのか、私が苦笑いすると美香に見えないように軽く手をあげていた。

「面倒くさっ」

女特有の行動、それすら嫌気がさす。


何処に居たって私は邪魔者扱いで、居場所がない。


だけど、もしかしたらそでが今の私にはちょうどいいのかもしれない。


それを見上げれば、やっぱり狭霧が邪魔をしていて、なんだかそれが今の自分には心地良かった。