クッーーー!!
部屋に戻り、自分で自分の首を絞めた。
強く、力をこめて
もう2度と目を覚さないように
この現実から消えるために
醜い心を持った自分を葬るために
それなのに、次第に弱まっていく自分の手の力
再び強く力を入れてもすぐに弱まって行く
隣のめぐみの部屋からは、音楽が流れていてそれを口ずさんでいる
弾んだ声がめぐみの楽しさを教えてくれる。
きっとこの扉の外の世界は、輝かしい
同じ人間がいる空間だとは思えないくらい。
私には何が足りなくなってしまったの?
何をしたらやる気が出るのだろう
分からない
魂がぬけているんじゃないかと思うくらい
未来なんか楽しみじゃなくて
目標もなく、憧れる人もいない
これから先私は....何を道しるべに生きたらいいのだろう。
「奈月....?お母さんよ?大丈夫かしら?明日の三者面談16:15分からよね?行くから学校で待ってなさいね」
母親がドアの向こうでそう私に話している。
まるで壊れ物を扱うように優しい声で....
現実は皮肉なものだ....
今どう生きるか分からないと言うのに、未来を今の私に考えろと言うことすら無謀すぎる。
「分かったよ」
そう一言だけ残して、私は布団に潜り込み目をつぶった。
目からたくさんの物が溢れてきて、それは止まることを知らず....
そのまま眠りに着いた。



