「お前、学校を無断欠席したんだと?」
その父親の言葉に、数日前....無性に学校へ行くのが嫌になって、よく陽平と一緒にいた公園で一人サボっていたことを思い出した。
「なんなんだ、お前はこんな時に。余計な心配をお母さんにさせるんじゃない!!」
再び振りかぶられた手を母親が必死に止めている。
「お母さん、いいよ」
そう、私は殴られた頬なんてちっとも痛みを感じないんだ。
そんなことよりずっと、痛くて苦しくて辛い……
自分の胸元をギュッと握ると静かに深呼吸する。
思い返せば私は両親の笑顔をずっと見たかった。
誰も悲しい思いをさせないように
叔父との事を秘密にしてきたのに
叔父へいつか復讐してやろうと思っていたが、
私を引き止めていたものは、今も両親へわずかに残っていた優しさだったのかもしれない。
父親は自分の弟が娘にした事を 恨むだろうし
娘が性的ないたずらをされていた事に気づけず、私を叔父に預け続けた母親はきっとそんな自分を一生責め続けるに違いない。
その事実は必ず隠そうと強く決め守り抜いたいた。
だけどもしかしたら...
逆に私たち家族を壊していたのかもしれない。
こんな風になる前に事実を伝えられていたら
私はもっと人間らしく生きれたのかもしれない。
父親の腕を掴み必死に止めてる母親は震え、凄い悲しい顔をして涙を流している。
父親は出来損ないの人間をみるような目で私をみていた。
私みたいな子はこの家にはいらない?
もういい子でもなければ、厄介な娘だよね。
もう苦しみなんて感じないし孤独でいい....
私はゆっくり立ち上がると「ごめんなさい、こんな娘で....」そう一言だけ残して再び部屋に戻りベッドに座り込んだ。



