少しでも、母親の負担を減らせることが嬉しかった。

少しでも家族の為に何かができることが嬉しかった。


こんな私でもできることがある、家族の役に立てる、それが純粋に嬉しくて

母親が「奈月、これ上手にできたわね」そう疲れ果てている母親が一瞬だけ笑顔になってくれることそれが本当に嬉しかった。


凄く嫌だった夕飯の準備も、当番の日は本屋さんにレシピを見に行ったりして、私なりに一生懸命頑張っていた。


「よし、できあがり」

次第に慣れた手つきで淡々とこなし、一人先に夕飯をすませると、そのまま自分の部屋へと向かう。


静かな家だ……

いつから騒がしかった毎日が、こんなに静かになってしまったのか……

そのままベッドに寝転がると、いつしかそのまま眠りに落ちていた。