「ねぇ、ちょっと今平気?」

お弁当を食べ終わり、それをしまっていた時に同じクラスの結衣が話しかけてきた。

結衣は中3になり初めて同じクラスになり、移動教室へ行く時も比較的一緒にいる数少ない友達だ。

「うん、平気だよ、どした?」

そう言うと、私の前の席の男の子をどかし、椅子に座り出すと私の机に肘を立てて顔を近づけて来る。

「あのさ、私見ちゃったんだよね………」


結衣が話してきてくれた全てを聞いて、私は笑っていた。

もうどうでも良かった、ただもう何もかもが嫌になってくる。


「結衣、ありがとう」

「気を付けて」

そう話し終わると、5時間目が始まるチャイムが鳴り響き結衣は「じゃ、後で」なんて自分の席に帰って行った。


5時間目が始まり、グラウンドでサッカーをしているクラスを見つめながら、私とは全然違う場所にいるかのような感覚になってしまう。

そしてそんなみんなが少しだけ羨ましい


開いている窓から風が入り込んできて、いつしかそれはとても心地よいと言える季節ではなくなっていて


ワイシャツの上から椅子にかけてあったブレザーを取り羽織り、そのまま授業が終わることだけを待ち、そのまま机に顔を伏せた。