あれからあっという間に季節が過ぎ月日が流れ、私はあの時あの場所に大切な何かを残したまま中3になっていた。
"中学の3年間なんて、あっという間だよ"
なんて誰かが言っていたが、あながち嘘ではないのかもしれない。
中学3年生になり陽平とはクラスが別になったが、学校ではよく陽平を見るようになった。
それでも、陽平はどんどん変わってしまって、もうきやすく陽平に話しかけるのは学年でいう不良の一塊だけだった。
姿を見るたび陽平との思い出が胸を掻き毟る
苦しくて逃げ出したくなったり
何もやる気が出ない
"何をしても楽しくない"
どんどん私が私でなくなっていく……
陽平が陽平でなくなってしまったかのように
いつしか、テストも名前だけ書いてその他は白紙で出し
人と話すことすら面倒で、授業の大半、いや学校の大半は寝て過ごしした。
「お腹痛い……」
寝ていることを酷く叱ってうるさい先生にはそう言って保健室へと逃げる。
保健室の窓からは、よく体育の授業をしているクラスが見えて、なんだかその皆が羨ましかった。
普通に笑えていること
楽しんでいる姿
さぼってる姿
一生懸命な姿
目を輝かせている姿
私がいる世界とはまるで正反対で、私はそれをガラス越しで遠目から見ている。
先生達だって、家族だって
私がこんなに無気力で悩んでる姿や泣いてる事も知らない
学校へ行くことがこんなにも苦痛だなんてことも知らないのだろう。