あの電話の日から、陽平は姿を見せなくなった。

学校にも来ていない。

聡にも聞いてみたりもしたが『俺も心配してる』とだけ言われてしまった。


思い切って何度か電話をしてみたりもしたけど、誰も出ることはなく、


そのうちに『お客様のおかけになった電話はお客様の都合により、おつなぎ出来ません』というアナウンスに変わった。


いつも一緒にいた、あの公園にも色んな時間帯を見計らって行ってみたりもしたけど、陽平の姿を一度も見ることはなかった。



もう本当に終わってしまったんだね

自分からさよならを告げたくせに


また陽平に会いたくて仕方なかった


もし、陽平がいたら、なんて言うのかなんて分からないけど。


まだ何処かで引き止めてくれるかもしれない……と期待している自分もいたのかもしれない。



だけど、それを打ちのめされる出来事があった。


私がやっと対面できたのは、あの日、陽平と書いた大切なもの……。


真っ黒に塗りつぶされた二人の相合傘だった。

それにそっと触れた私の頬に静かに涙がつたった……。