中学2年生の夏休み前のことだった
「明日ウチの親いないんだよね」
その日は、当然私は家にいて、陽平からお決まりの夜の電話の中で話していた時に言い放った一言。
「えっ?」
「だから学校終わったら遊びに来いよ」
その瞬間、激しく心臓が鼓動し始めて、電話口の陽平にまで聞こえてしまうんじゃないかと小さく深呼吸しながら、自分の手のひらを胸にあてた。
「うん」
「てか、変なこと考えてねぇ~だろうな~!!」
「えっ?」
「もう、奈月ちゃんのエッチ!!」
「もう~陽平のばか!!」
そう、これが陽平……
私が不安な時、悲しい時、寂しい時、苦しい時、嬉しい時、恥ずかしい時
そんな時、陽平は決まってふざける、おちゃらける、それでいつも私の苦しみも緊張も取り除いてくれるんだ……。
陽平が好き……
私は陽平が好きだ……。



