すると陽平は、また空を見上げた。

「今日は星が綺麗だ。明日はよく晴れるな」

「あぁ本当だ!久々に星見たぁ~」

そこには、空一面に星々がきらめいていて、空気が澄み切っているせいか星が幾分近くに見えるような気がする。

「俺は良くみてるよ、この公園で」

冗談でしょ~!!なんて言おうかと思ったけど、隣で空を見上げている陽平を見つめると、黒い聡明な目をしていた。

「陽平ってさ、以外にロマンティックだね」

ふふふと、吹き出す。

「ロマンティックな方が女子にモテるっしょ!てか!ねっ転がる?」


「はい?道路に?やだやだやだーーー!汚い!」

「何言ってんだ?俺はいつも寝そべってるぞ!」そう言いながら陽平は地面の上に寝っ転がると、私にもそれを共有させようとした。


「無理ーぃ!陽平と一緒にしないで」

その瞬間、起き上がると自分の来ていた長袖のシャツを脱ぐと、それを下に広げた。

「うるさいお嬢様!!これで宜しいでしょうか?」


私と陽平の間に広げられたシャツ、私は一瞬ドキッとしたが「どうもっ!!」なんて当たり前かのように寝転がった。


そのシャツは私が想像していたよりも凄く大きくて、陽平が男なのだと体中で感じ、風と共に陽平のシャツが穏やかな匂いにほだされていた。


「ほら~気持ちいいだろ~?大地を感じるぞーー」

「えーーーーー!?」

毎回陽平は私が思わぬことばっかり言い出す、ドキドキさせてみたり、お腹を抱えるくらい笑わせてくれたり、ふとたまに寂しい表情を見せたり。


本当に変わってるというか、小学生の男の子みたいな無邪気な人。


「最高だろっ?」

そう言いながら私の方を向くと、目の前には陽平の顔があってあまりの顔の近さに慌てて空の方へと視線を変える。

「最高だねっ……!!」

そう何もかもが……

私の胸を熱くさせてくれる。

時折ふく心地よい初夏の薫風が鼻をくすぐる。


陽平の世界観に気が付けばハマっていってる自分がそこにいた。