「一人で部屋を抜け出してきたみたいよ」
「そう、そのせいで私たちも酷い仕打ちだったよ」
あれほど学校で禁止されていたのに、陽平は男子部屋から抜け出し、この部屋にきたらしい。
同じ部屋の女の子たちが注意しても二段べッドに寝ている私を階段に上がり見ていて、そのうちに巡回していた先生に見つかり……
陽平はもちろんのこと、
この部屋にいた生徒は正座させられ1時間説教。
みんな止まらない愚痴を私にぶつけてくる……
でも、私は陽平がここに来たことで頭がいっぱいで……
正直それどころではなかった。
「ねぇ、聞いてる?奈月……」
「聞いてるよ~」
私は……想像できないほど大胆な行動をとる陽平のことが、もう気になってしょうがなくなっていた。
そして確かに私のこのドキドキは陽平のせいだろうと、自分でさえも嘘がつけない状態になっている。