キャンプの1つ目のイベントの飯盒炊飯もなんとか終わり、それが終われば、もう楽しみは1つだけ。
そう、女子はこの時を何よりも楽しみにしている。
みんな順番にお風呂へ入る終わると自然と皆ベッドへ転がる。
「ねぇ~やっぱり、お泊りと言えば恋バナじゃないーー?」
1人の女の子が、そう大きな声でそう言いだすと、ベッドにいた私は大きく目を見開いた。
「えーでも私、今好きな人いないー!!」
「嘘だぁ~!!」
そう、色んな声が混じり合っていて、私は口を閉じたままでいた。
「今日はオールしよう!!ほら、見て~!!!」
その声に、私も体を起こし、下を覗くと大きなリュックから大量のお菓子の袋を持って振り回してる美香がいた。
「美香ってば……」と、私の声に「ばれない!ばれない!!」と笑顔で私に手招きして見せた、
「知らないからね」2段ベッドの階段をゆっくり降りると、もう既にみんな下でゴロゴロしていた。
「ねーねー!皆んなで好きな人の話とかしようよ~」
そう1人の女の子がみんなの表情を伺いながら楽しそうに言い出した。
"うわっ、最悪……"
なんだか嫌な予感もして、乗り気になれない。
「え~!!じゃぁ、ヒント出したりして当てようよ~!!」
そうみんなで盛り上がっていて、私は口を瞑んでいた。
「ね?奈月どう?」
横から口を挟んできたのは美香で、私は一瞬だけ美香を心から恨んだ。



