私は、あまりの心地よさにまたいつの間にか寝てしまっていて不思議な夢の続きを見ていた。

目を覚ましたとき、私はその不思議な夢を全てを理解したようだ。


あの少女が誰なのか、あの少女がなぜ一人でいたのか
そしてミミズ腫れ出来るほど体を洗っていたのか

夢の謎は解けた。
あの少女は小学生の頃の内田奈月

つまり私だった。

叔父とあった後にお風呂へ入るときは、真っ赤になるまで体をゴシゴシと洗っていた。

当時の心理は本人の私にも分からない、ただただ無心で洗っていた。

今思えば私は潔癖症だと周りから言われることもあった。


手を何回も洗ってしまう。
ものを触るときは除菌アルコールで拭いてしまう。
電車のつり革も素手では触ることが出来ない。

それは、潔癖ではなくただの自分の癖だと思っていた。

冬場はあかぎれになって割れた皮膚から血が出ていて、皮膚科で処方された軟膏を塗っていた。


無意識のうちに、自分自身を綺麗にする事で嫌な記憶も綺麗に洗い流せるとでも思っていたのだろか……。

どんな風に考えてそうなったのか、当時の心理はわからない 。


皮膚科ではなく心療内科を受診していたらきっと精神疾患を診断されていただろう。


子供への性犯罪は「いたずら」「幼児の体に興味があった」そんな安易な言葉ではすまされない。

ずっとずっと我慢して言えなかった自分との葛藤は成長してからもなお苦しめた

だから私は消えたかった。

記憶もすべてーーー

だけど現実はそうもいかなかった。

記憶は私を苦しめた

記憶が私を追い詰めた

記憶が……
記憶は……どんな時も消えてくれはしなかった。



そう、悲しい時は私はオルゴールを鳴らしていたんだ、このオルゴールを……。