夢だったのかぁ……
なぜだか、酷く汗をかいていて鼓動は早くなっていた。
ベッドの上で起き上がった姿勢のまま暫く動くことができない。
ふと時計を見れば14時をさしていて、ゆっくりと記憶を辿ろうとした瞬間に、オイルくさい匂いがかすかにして、やっとその記憶が明らかになっていく。
「はぁ……」思い出した瞬間に吐き出された大きなため息と共に立ち上がるとそのままシャワーを浴びに浴室へと向かった。
再び大きなため息が吐き出されたのは、洗面所の鏡に映った自分の姿を見ながらだった。
目のはクマが出来ていて、泣いたのであろうか、マスカラが少しだけ滲んでいるようにも見える。
半分消えている眉毛、こんな姿で歩いて寮まで帰って来たかと思うと、誰にも見られてはいなか焦ってしまう。
なんて少し冷静になりながらも"あーあ"なんて大きなあくびをしながらメイクを落としていく。
メイクを落とし、再び映し出された鏡を見ると、夢に出てきた女の子は誰なんだろうと首をかしげながら考えてしまう。
少し妹に似てた……?
いや、雰囲気が違うような……。
しかしあの壁掛け時計のオルゴール……の音色…………。
懐かしいような……なんだろう
鏡の前で疲れ切った自分の姿を映しながら
不思議と夢の中の事がいつまでも気になっていた
メイクを落とし終えシャワーを浴びると一瞬で体が温まっていく。
その温度が心地よくて、ずっと頭から浴び続ける……
なんだか、とてもはっきりと覚えている夢だなと思いながら、私は体に少しだけ染みついているであろうオイルをタオルで強くこすり続けた。



