今日は仕事終わりにスーパー銭湯にきている。

寮のマンションは、トイレとお風呂が一緒のユニットバスの為、足を伸ばしながら入れる銭湯の湯船に浸かるのが私にとってたまにのご褒美であった。

キャバ嬢=お金持ち
と固定観念を押し付けるのは間違いだといつも思っている。


ロッカーに向かい貴重品と持ってきたバッグを詰め込むと、浴室へと向かう。

あまり混んでいない時間帯を見計らってきたおかげで、人影が少ない。
自分のお風呂ではないくせに、この広い空間に人が少ない方が贅沢感を得られるようか感覚に陥る私は少しおかしいのだろうか


さっそく、ささっとシャワーをかぶると、椅子に座り木でできた桶にお湯を入れ泡だてながら体を洗い始めていた。

その隣に静かに腰を掛けてきたのは一人の女の子。

小学生だろう、小学生と言ってもきっと低学年の幼い女の子。



座ってすぐにその女の子は、なんの躊躇いもせずに一生懸命にボディータオルを使い
体をゴシゴシと豪快に洗っている

いや、ものすごく力強く同じ箇所を何度も何度も擦って

赤くなっていまうのではないかと心配で私は横目でチラチラみていると、どうやら少女は泣いているようだった。


「お母さんは.....どうしたの?」

少女は、顔を横にふりうつむいた。

「そっか。ねぁ?体かゆいの?そんなに力いれてゴシゴシしたら真っ赤っかになって痛くなっちゃうよ」

それでも、その手は止まることもなく、逆に体さえも動かしながらもっと力を入れているのが見ている私にも感じて咄嗟にその少女の手を握って止めた。

「流そう……っか」

そう言いながら、目の前にかけられているシャワーを手に取ると温度を確認し私は静かに少女の体にかけ、そっと流し始めた。

「いたっ」今にも消え入りそうな 小さい声が私の耳の中に響く

「ごめんね、ごめんっ、痛かったね。もう少しぬるくするね」

小さく頷く少女を見ながら、シャワーの温度を下げ、再び体にかけようとした瞬間、私は絶句した。

その体は、摩擦によって全身ミミズ腫れを起こして赤みも帯びていた。

どうして……

そんなこと聞けなかった

一瞬で自分の体にも鳥肌がたっていくのが分かる。

抱きしめてあげたい衝動にかられながらも、そっと少女の体についていたボディーソープを流す。

「お風呂でたらさ、飲み物一緒に飲もうよ!」

その瞬間、少女は顔を上げ、綺麗な瞳で私を見つめると少しだけはにかんでは、コクリと頷いた。