「さ~て、今日はキャンプの話や班決めなどをするぞ、キャンプは遊びに行くわけじゃない、あくまでも授業の一環だ、それだけは頭に入れて行動すること!!」
「はぁーい!!!」
果たしてその返事をした者の何人が、先生の言う事を聞いて、最後まで過ごせるのだろうか……
そんなことを思いながらも、私はさっき陽平が耳元で囁いた言葉が頭から離れないでいる。
ーー6月のキャンプーー
学校の授業の一環として、我中学は2泊3日のキャンプがある。
男女込みの6人で班を作り、協力しあって炊事をこなしていく。
「それじゃ、最初にくじ引きで班決めをする、決まった後はグループで集まり、班長や副班長や、目標などを決めてくれ!!」
その瞬間、クラスは一気にザワザワし始めた。
「せめて、女子と男子で分かれて、まずは仲良しな子となって、それから男女をくじ引きなりで決めて欲しい!!」
「すべてくじ引きで決められたグループなんて嫌だ!!」
各自言いたい放題で、先生に向かって意見を述べる。
それもそのはずだ、まだクラスが変わって2ヶ月しか経っていない。
それなのに、仲良い子1人も選べないのは正直辛い。
「だから言ったろ、授業の一環だ!!」
そう言い切った先生に、もう誰も反論はしなくなった。
先生は1度決まったことは、頑固として変えたりはしない。
ガヤガヤし続けるクラス内……
私はそれを他人事のように見つめていた。
「さて、それじゃぁ、右端から順番に取って、後ろは渡してくれ!!」
ダンボールに入れられたくじ引きの紙は順番にどんどん引かれていく……
お願いします……
どうか、美香と一緒の班になりますようにーーー。
そう祈りながら、自分の番が来た時、小さく息を吸って、目をつぶってお願いをしながらくじを引いた。



