あいつが二度と笑えないようにしてやりたい。
そう思うとなぜか私は陽平を思い出していた
この人さえいなければ、
私は今も陽平の傍で好きだと胸張って言えていたかもしれない。
この人さえいなければ、
おもいきり笑って幸せだって心から言えていたのかもしれない。
この人さえいなければ、
きっと好きな人に想われることを素直に喜べたかもしれない。
この人さえ、この人さえ……
コイツさえいなければ私はこんなにも苦しまずにすんだ。
そう、その憎き相手が親族の席で今私の目の前に座っている。
私と目を合わさないように視界にさえも入れようとはしないでいる
目を合わそうとしないのは、私と会って何かが蘇ってきたからなんじゃないのか?
コイツは今日まで何も考えずにのうのうと生きてきてのだろう……
祖母が亡くなり悲しみの中にいた私は、一瞬で憎しみの思いがこみ上げてきていた
再び復讐という名の醜い心で支配されてく
目の前の男のせいで、どんどん自分さえも醜くなっていく



