あの後、どうやって家路に着いたかなんて覚えていない。

とりあえず無事に自分の家にたどり着いていて
どうにかお風呂に入ったのだろう

ベッドの上に、部屋着で寝そべっている自分がいた。


まだ悲しい現実を受け止められないような感覚もあり


私は寝れずにいる


時計の刻まれる音だけが部屋の中を響き渡っていて、時計を見れば夜中の2時を指していた。

きっと誰かが亡くなっても、普通に時間は同じ時を刻む、何も変わりはしない


秒針をみながら、そんなことを考えている自分がいる。



おばあちゃん


本当に死んじゃったの?
急になんて酷いよ、ずるいよ


死んだらさ……どこに行くの?
死ぬときは痛くなかった?



涙が溢れてきて、そのまま目尻側からこぼれ落ち枕が濡れるのが分かった。



さよなら、おばあちゃん

いや、ありがとう。

もっとちゃんと言いたかったな

おばあちゃんは今私を見てくれてる?



私の涙は溢れてくるばかりで、止まることはなかった

泣いて泣いて泣き疲れて放心状態になると

思い出すのはやっぱり優しいおばあちゃんの笑顔


おばあちゃんの所に
まだ行けそうにもないけど必ずいつか会いに行くね


さよならを言えなかった悔いは残りながら
天上を見上げておばあちゃんへの思いを心の中で何度もつぶやいていた。


そう、私は生きることを選んだのだから、どうしても生き抜かなきゃいけない


そして会えなくなったおばあちゃんに静かにお別れの言葉を告げた。