「あ、はい。あの……出産祝いをですね。その…探してまして…ですね」
慣れない敬語を使うと日本語すらめちゃくちゃで恥ずかしく、そしてこんなに快適な空調機があるデパート内で汗がでていた。
「ふふふ……お客様、こちらなどはいかがでしょうか?」
優しく微笑みながら提案してくれた物は、粘土で赤ちゃんの手や足の裏を押し付け手形、足型をとり2週間乾かすと出来上がるという商品だった。
写真も入れることが出来て、体重なども書くスペースがあり
記念品にはもってこいな商品
「すごくいいです!これにします。」
「承知いたしました。ラッピングお選びいただけますので、こちらへどうぞ」
私はお姉さんの後へ着いていき最高に素敵なプレゼントを買うことが出来た。
場違いなような所でギフトを選んでいる自分は少しだけ大人になった気がして、そして流奈はきっと喜んでくれるだろうな……なんて想像するだけで幸せな気持ちになる。
そして、いつか大きくなった愛に、このエピソードでも話してあげたい。
色んな気持ちがこみ上げてくる中、お姉さんが綺麗にラッピングしてくれている様子をじっと見つめていた。



