「間に合った~」急いで出るなり再び部屋の時計を確認する。

そして、無造作に置かれているベッドの上の携帯を手に取れば、メールが1件受信されていた。

〖当たり前♡無くしたら許さん!〗

それは流奈から送信されたもので、返信ボタンを押すとまたメールを作り上げていく……

[了解!必ず大事にします♪]

そう打ち込めば、すぐにまたメールが受信された。

〖そうそう、言い忘れたけどそれ、あたしとお揃いだから♪〗

「えっ……!!聞いてな~それ肝心なところだし」


メールを見ながら、独り画面に向かって呟くと、さすが流奈らしいと再び笑みがこぼれる。

[お揃いとか、知らなかったし1番大切なとこっ!!]

そう打ち込みながら、私はおもむろに机の引き出しを開けるとそこから通帳を取り出し中を確認した。


「だよね……」

虚しくも、今月は残金など残っていなくて肩を落とす……

〖あ、それと言い忘れた!!奈月は学生なんだからね!!お返しとか考えないこと!!いいね!!!〗

そんな時に受信されたメールを見ると、まるで流奈がどこかで私の行動を見ているかのように感じさせ、思わずキョロキョロしてしまった私。

そのメールに[分かってます]そう打ち込むと、静かに通帳を元の場所に戻した。


流奈のこういう気遣いが好きだ。
流奈に言われると、そうだねって納得してしまう自分もいて、疲れない。


携帯の画面に目をやると、時間は7月12日23時55分……

そして私は、新規メール作成のボタンを押しその画面に文字を打ち込んでいった。



7月12日23時58分……

ーーーー送信しましたーーーー



「あぶなっ……ギリギリっ!!!」

そう7月12日、流奈の誕生日。

私はあと、2分後の13日に16歳の誕生日を迎える。


流奈の誕生日が終わるころ、私は流奈へメールを送った。