****luna****
夏の夜風は心地いい
ヘルメットは被らず風を切りながら
雄也の単車は車の横をすれすれの距離で走り抜ける
「もっと飛ばしてー!」気が付いたら、そう叫んだ
プレゼントを渡した側のあたしがなぜか凄く嬉しい
それはプレゼントに喜んでくれたからなのはもちろんのこと
もっと最高なのは奈月が、笑っていたからなのだ
あたしは見たかったんだ、あの子の偽りじゃない笑顔を
最近は、たまにしか会えなくて正直さみしい
奈月は学校は楽しんでるかな?
あたしは束縛が激しすぎる雄也と
毎日仕事まで一緒で頑張ってるよ
だから奈月も頑張って欲しい
うちらが出会ったあの高校を奈月が卒業することを
あたしは応援してるよ。
見守ることしか出来ないけど、何かあったらすぐにかけつけるから!
またね!奈月
爆音を鳴らし走る二人乗りした1台の単車は
信号無視をしながら、夜の街に消えていった。
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