「もちろんだよ。こんな綺麗なネックレス……ありがとう」
「ふーー!良かったー!なんか緊張しちゃったわ」
目を細めて笑う流奈はとても優しそうな表情をしている。
そんな流奈を見て、なんだか私の目頭は熱くなるばかりで、そしてなんとも言えない感情が動き出している。
この感情をなんて言葉にすればいいのかなんてわからなくて、それでも目の前で嬉しそうに微笑む流奈を見て、
「これ高かったでしょ?てか私何も……用意出来ない。流奈今日誕生日なのにメールしかしてない」
流奈は、私が学校へ行っている間も働いているんだと思ったら少し申し訳なくなってしまった。
「いらないよ!奈月は学生なんだから!私さ、たまに職人の仕事の手伝い行ってるからリッチなの!」
「メールそれだけで十分嬉しかった」
腰に手を当てて、うんうんと頷いている、おちゃらける流奈を私は尊敬の眼差しで見ていた。
この前より少し、黒くなっていた肌を見れば、きっと暑い夏の日も外で汗をかいて仕事してるのだろう。
そんな辛さとか弱さとか大変さなんて何も感じさせない。
あんなに学校をサボっていたのに、仕事はきちんと行っていた。
そんな流奈が、頑張って働いたお金でこのプレゼントを買いに行く姿を想像したら、やっぱり胸が熱くなるばかりで、一層目頭が熱くなった。
そして、それはもうこらえ切れず、雫となって頬につたった。



