7月に入ると、色々なことが日常化してくる

それに反するように、ジトジトした暑さを感じ一層私の学校への足取りは重くなる


いつもの時間にいつもの車両の列へ並ぶ
ふと周りを見渡せば、よく見る顔ばかりだ。

ここにいる毎日顔を合わせる彼らもきっと、私と同じように、同じ時間に家を出て、同じ時間に駅に着き、同じ電車に乗るのだろう。


そんなことを思いながら、また変わりばえのないメールの返信していると、ホームに電車が到着するアナウンスが流れ始め携帯をバックへしまい込んだ。

朝の通学時間は満員電車で
電車へ乗り込んだらもう、身動きは取れない


自分の手に持つ荷物でさえ、人の波に持っていかれそうになる為、荷物を胸の前で抱え込み守らなければいけなかった。

私にとって高校への道のりは毎日が戦いだ。

まぁ、そんなことを承知で遠いこの高校を選んだのだが、

予想を遥かに超えている遠さで"制服が可愛い"と言うどうでもいい理由で選んだあの時の私に文句を言ってやりたいのが正直なところだけど……

「はぁ……」

電車が目の前で止まった瞬間に小さなため息を吐きだした。

ふと流奈は何をしているのだろう……なんて頭に過る。


流奈が居ない高校生活は寂しさはありつつも『卒業してね』と言い残して辞めてしまった彼女の言葉が頭の片隅にあったのだろう

どんなにつまらない1日でも、私はこの満員電車に揺られ毎日高校へ通っている。


開成高校をやめてしまった流奈はアルバイトを順調に頑張っていたから安心していた。

ああ見えて結構、真面目な所もあるらしい

私はというと

定期代、携帯代、美容院代の支払いは自分で払うと母親との約束がだったから守らなければならない


だけど実際の所、高校生にとってはなかなか結構な金額だったため、学校から帰宅して、ガソリンスタンドでアルバイトを頑張っていた。