「えっ?どゆこと?ちょっ、聞こえない!!」

珍しく、流奈から電話がかかってきたかと思えば、周りのバイク音がうるさすぎて何を言ってるのか分からなかった。

「ごめん~!!今奈月にだけは言っておこうと、ふと思って電話した」


本当に流奈らしい、せめてもっと静かな場所で電話してくれたらいいのに……なんて思ったりもしたが、

そんなことより話の内容は結構重大なことのような気がしてならない。

「………からさ、とりあえず後は荷物取りに行ったり、書類貰いにだけ」


「はい?え?聞こえない!!」

「だから~学校辞めて来たから!!」

確かに今流奈の言い放った言葉はしっかりと耳に入ってきた。

だけど、上手く理解ができない、いや理解することを拒否しているようだ。

「流奈……」

分かってた、流奈の決めたことはぶれないし、誰かに相談して気持ちが変わるようなそんな簡単にいつも結論を出さないことくらい。

「奈月は必ず卒業するんだよ」


その言葉に、もう後戻りはしないと強い決意を感じられた気がした。

「………。」

「じゃあ、とりあえずまた連絡するし、してっ!!」

勝手な人だ……

目の前に突然現れたかと思えば簡単に去って行ってしまった。


入学式から1カ月が過ぎたころ流奈は本当に、突然高校を辞めてしまった。

後から、トラブルがあったと聞かされた。

せっかくあの学校でできた最初の友達……

かなり落ち込んでいたが、流奈の決めたことだからと、割り切って私は学校に通った。