あの電話の日から私は
時々、流奈に電話をするようになった。
そう、流奈はだんだん学校に顔を出さなくなっていて、私は学校でも流奈に会うことが少なくなっていたからだ。
「流奈、今日も学校来ないの?」
「いや、さっき学校行ったら校門で追い返された!頭髪うるせーから帰る!」
だから私はこまめに電話をかけたんだ。
別に用事なんてなかった、ただたわいもない会話をしているだけ。
その時の流奈の声のトーンなどを聞くだけで、流奈の気分が分かってしまうくらい
私が流奈を理解してきているのか
ただ単に、単純なのか定かではないが……。
流奈は地元の話や束縛魔の彼氏の話し、暴走族の話など、私の知らない世界を面白がって話してくれる。
私が答える回答に吹き出して笑ってくれて、お互い話が噛み合わないことも多々あるが、大半は爆笑している気がする。
楽だった
辛く苦しい時に連絡しても根掘り葉掘り聞いては来なかった。
面白がって、相槌を打ちながら適当に聞いているようなそんな子でもなかった。
分かっていたんだ
その時、私が何を求め流奈に連絡しているのかを……
それに、流奈がふと見せる寂しそうな横顔が常に頭から離れなかったし
あの冷めた目をどこかで、自分と重なり合わしていた。
孤独感に襲われた時、私はいつからか流奈の存在で心が和んで居たんだ。