「喧嘩してるの?あんた達、何考えてるの!やめなさい!」
「だってこの人が喧嘩売ってくるから」
私はめぐみをこの人と呼んだ
この人と言う呼び名がふさわしい
姉って妹を支えてくれたり、するんじゃないの?
こんな時こそ家族が協力し合い、支え合うんじゃないの?
言っちゃいけない言葉を簡単に私に言うなんて理解できないし、その言葉だけは私も許せなかった。
それでも睨んで罵声をあげてるめぐみを次第に生理的に受け付けられなくなっていた
母親までも大きな声をだし、私が力いっぱい握ってる姉の腕を無理やり引き離しながら、めぐみに怒鳴り散らしている。
「アホらしいわ……本当、そんなことより、お母さん帰って来てたんだ」そう小さく呟けば「てめぇ~!!」だなんて威勢のいいめぐみの声がまた飛び交ってきて、私は大きく肩を落とした。
「お姉ちゃんは自分の部屋に戻りなさい!」
母親に引っ張られながら、私の部屋を出ていくめぐみを見て、酷く落胆した。
最近はこんな言い争いも喧嘩も特別ではなくもはや日常化していた
そのたびに、くだらないと冷めていく自分
傷つくことなんて、もうなくなりバカにするような笑いしかできない自分は本当に動く人形のようだった。
一つずつ何かがなくなっていくたびに、私は愛が欲しくてたまらなかった。
家族に愛されてない分
居場所が欲しくて
彼氏に尽くされたり必要とされることで、足りない愛を埋めて自分の居場所を確保していたんだ。



