[返事ありがとう!なら流奈って呼ばせて貰うね!!]
〖流奈でいいよ!私は奈月って呼ばせてもらうから〗
[オッケー!流奈はきょうだいいるの?]
〖弟がいるよ! 奈月は?〗
[私は三姉妹で、真ん中なんだ!今妹は入院してるんだけど]
〖入院?大変だね。妹は何歳なの?〗
[5歳だよ!かなり年離れてる笑 だから喧嘩にもならない。可愛いよ]
〖そんな年離れた妹と喧嘩してたらびっくりだわ!早く退院できるといいね☆〗
授業中に交換されていく私たちの手紙、とまでは言わないがメモのやり取り。
周りのクラスメイトはさぞかし迷惑だっただろう、それでも私は握っているペンが止まらない。
それに、会話らしきものをまだ全然していないというのに、自分の私情までを迷うことなく書いていた。
警戒心が強くて、人を信じることをひどく嫌うのに。
なぜ、自分がこんな感情になっているのかなんて、自分にも分からなくて、それでも今流奈と繋がっていたいと強く思っていた。
不思議だった。
入学式には、ワクワクした高校生ライフへの憧れや希望を、無残にも壊されたはずの相手、流奈。
それとも、本当の私は誰かに自分の心が開ける場所を探しているのだろうか……
そんな事あるはずがない
自分が一番信用できるし所詮他人は無責任
そう言い聞かせてみたり、色んな気持ちと格闘しながらも私はこの手紙のやり取りの手が止まることはなかった。



