先程彼女からもらった手紙をゆっくりと周りに見えないように隠しながらそっと両手で開く。
[あんな豪快に鼻水たらした女の子初めて見たよ!マジでうけた♩こちらこそよろしく!流奈より]
字は人柄を表すと言うけど、そんな言葉が嘘じゃないかと思うほど、友夏の字は
すごい可愛らしい自体で小さめの文字だった。
それを見ながら、なんだかニヤけた顔が戻らない自分。
私は返事がきて素直に嬉しかった。
字を書いたりする事がなさそうな流奈からの返事だから余計なのだろう。
いや、高校に入ってからというもの、こんな風に女の子とやり取りすることが初めてだったから尚更なのかもしれない。
どちらかというと、私はいつも受け身
自分から遊びに誘うことはしないし、ショッピングでさえも一人でゆっくり行きたいタイプだし、何かと一人は嫌いじゃない。
そんな自分が、どうしてあの不良女……
流奈に手紙なんて渡す大胆な行動に出たのか、はっきりした理由は分からないが、この時は不思議と自分から積極的に動いていた。
さっそく、 ルーズリーフの用紙を4分の1のサイズに切りペンを握った、流奈へ視線を移せば、もう彼女は夢の中に入っているようで、なんだかその姿を見て微笑した。



