パシャパシャと水を弾きながら、西校舎へと急ぐ。
篠宮くんに見つからないように、と
雨が制服を濡らしていくのも気にせず古びた校内に体を滑り込ませた。
相変わらず冷たい風が吹き抜けて、さすがに濡れて体温を奪われた体には少し寒かった。
ある程度の水を払い、音楽室へ急ぐ。
「佐倉く───え?」
音楽室の扉に手をかけようとした瞬間、その窓から見覚えのある後ろ姿を見つけた。
窓によりかかる佐倉くんと向き合った、佐倉くんより少し背が高い男の子。
(なんで篠宮くんが・・・)
そうだ、朝言ってた。
─────『自分で確かめるから。忘れて。』
その場にしゃがんで、中の様子に意識を集中させる。
すると、二人の話し声が微かに聞こえた。
