西校舎の佐倉くん




その翌日は、朝から雨だった。


それもひどい土砂降りで、目の前が真っ白になってしまうほど。


グラウンドにはあちこちに大きな水たまりが出来ていて、屋根からはキャパオーバーした水滴が小さな滝のように滑り落ちている。




「ひっどい雨だね」


「皐月・・・おはよう。」


「おはよう、実咲。・・・この前はごめん」


「・・・皐月は悪くないよ。私こそ、ごめん」



私を心配してくれる皐月の優しさを考えられなかった。


二人で顔を見合わせて笑うと、そこにはいつものような穏やかな絆が戻っていた。




「なあ、薙原」


「え?・・・篠宮くん」



後ろからふと声をかけてきたのは、同じクラスの篠宮颯太くん。


端正な顔立ちとその運動神経の良さから、ファンも多い人気者だ。




「ちょっと・・・いいか?」


「?うん、」