西校舎の佐倉くん



先生と生徒の恋愛なんて、漫画や小説の中だけだと思ってた。

そんな恋愛、実際にあるわけ無いって。


でも、桧山先生のことを話す彼を見ていると、それは夢でも嘘でもない本当の愛なんだと分かる。



「それで・・・佐倉くんはどうしたいの?」

「・・・もう一度だけ、会いたい。もしユキちゃんが未練なら、会ってもう一度話せばきっと成仏できるから」

「分かった。必ず見つける。必ず見つけて、ここに連れてくる。

でも・・・”視える”の?」

「それは心配しなくていい。ユキちゃんは霊感が強い人だし、未練の可能性がある人には姿を見せられるから」



じゃあ、桧山先生をここに連れてくれば──。



「佐倉くんは堕落霊にならずに済むんだよね?」

「──本当にユキちゃんが未練なら、ね。」

「うん。分かった。

今日は一旦帰るね。たくさん話せて楽しかった」

「ありがとう、成仏手伝ってくれて」

「うん。じゃあね」

「また」



”また”って、幽霊が言ってるなんて少し変な感じがするけれど。

それでも、手を振る彼の姿に頬が緩むのも事実。