西校舎の佐倉くん




「心当たりとか、無いの?」


「心当たりは全部当たったよ。ピアノも好きなだけ弾いたし、気になっていた本は全て読みきった。

僕は事故で死んだから、その場所にも行ってみたけど何も感じなかった。
友達にも会いに行った。でも成仏する気配すら無かった」


「付き合ってた人とか、好きだった人は?」


「・・・それが、ずっと引っかかってるんだ」



引っかかってる・・・?



「当時好きだった人がいて、・・・この学校の先生なんだけど。

桧山ユキって先生。でも、それは僕の完全な片想いで・・・未練かどうかわからない。
それを確認しようとしていた頃に、僕はここを出られなくなった」



一番未練に近そうなのはその先生だ。
桧山ユキ先生・・・聞いたことないけど・・・もしかしたら異動した先生かもしれない。



「とりあえず担任の先生に聞いてみる。明日になるけど・・・」


「大丈夫だよ。ありがとう。」


「・・・佐倉くんは、その先生のどこが好きだったの?」