西校舎の佐倉くん




『星の降る夜』。
それは、七夕のお話だった。


前世が彦星と織姫だった2人が現世で出会い、”星”を探す旅に出る話。


2人が住む街は、光がない暗闇の街で。
不思議なことに七夕の日だけ、空に満点に輝く星が見えていた。

たまに空を駆ける流れ星。
それを集めれば、この街にも光が戻ると言い伝えられていた。



「2人は星を見つけられるんですか?」


「・・・男の子が途中で死ぬんだ」


「えっ・・・」


「流れ星が落ちる先を突き止めて、集めていた途中にね。
その落ちてきた流れ星に打たれて、死ぬんだよ。

最期に女の子に言うんだ。
『僕はもう一緒には行けないけれど、この光で街を明るくしてくれ。愛しているよ、永遠に』」


「切ないですね・・・」


「でもこの物語の本当の最後は、男の子が死んじゃって悲しい切ないストーリーじゃないんだよ」


「え、そうなの?」




”それが、僕がこの本を気に入ってる理由”


別世界に連れて行ってくれるような物語って言ってたけど・・・どんな最後なんだろう。



「君に、頼みたいことがあります」



突然、佐倉くんが真剣な顔で言った。



「は、はい、」


「僕の成仏を、手伝ってくれませんか?」


「・・・・・・へ?」