「金髪の? 知らねぇな」
アルさんが手元に視線を戻してしらを切ると、ルルデュールは大げさなくらい大きな溜息を吐いた。
「そっかー。役に立たないおじさんだなぁ。そのおじさんと一緒」
そう言って彼はすっとラルガさんの方に視線を送った。その瞳は恐ろしく冷たい。
「あーぁ。ここで情報が聞けるって言うから来たのにさ~。やっぱこんなメンドクサイことしないで手っ取り早く山燃やしちゃえば良かったなぁ」
「なっ……!」
思わず声が出てしまっていた。
しまったと思った時には、その視線が私を捕えていて。
少年が再び笑う。
「もしかして、おねえさんは知ってる? 金髪のおにいさんの居場所」
息が、出来ない。
可愛らしい笑顔を向けられているのに、凍てつくような恐怖を感じていた。
かろうじてゆっくりと首を横に振る。
「なーんだ、がっかり」
すぐさま興味を失くしたように視線を外され激しくほっとする。だが。
「じゃあ、ここにいるみーんな、役立たずってことだね」
その顔がにぃと嗤った。

「アル!!」
ラグの叫び声が聞こえた。
次の瞬間、お腹に強い圧迫感。
ラグに抱えられたのだと知ると同時。
「風を此処に!」
「全部燃えちゃえ!」
ラグとアルさん、そして、少年の楽しげな声が重なる。
途端、凄まじい爆風と爆音が全身を襲った。



