「一体何なのか、調べてもらいましょう」

藍はそう言い、綿棒でベタベタするものを採取した。如月刑事に渡し、警察で調べてもらう。

各部屋を二人は見て回ったが、どこも綺麗で散らかってなどいない。怪しいものは見当たらなかった。

「綺麗ですよね〜……。普通、抵抗して暴れたりするからもっと散らかりませんかね?」

大河が、綺麗に並べられたフクロウの置きものを見つめる。

「……そう、なのかしら……」

藍は考えるが、襲われたことなどなくわからない。考えていると、大河が藍にぐっと近づいて来た。

「霧島さん、今どういう状況かわかっていますか?俺たちは恋人としてここにいて、しかも今は二人きりですよ」

大河がキスをする勢いで迫ってくる。藍は後ずさるが、背中に当たるのは壁。大河が黒い笑みを浮かべた。

「霧島さんの全て、もらってもいいですよね?」

大河が藍に触れる。藍は恐怖を感じ、とっさに近くにあったぬいぐるみを手にした。

「来ないで!」