パーティーから1週間後。

私はいつものように資産家や文化人、やんごとない家柄の子息や令嬢が多く通う中高一貫校の黎明(れいめい)学園に登校してきた。


「やっぱり、歩かないと運動不足になるよね」


名家の子が多く、なにかと危険だからと車通学が許可されている黎明学園。

でも、私はできるだけぜいたくに染まった生活はしたくないと思っている。

その理由はお母さんがいわゆる庶民の出身だったから。

自分でできることは自分でする、がモットーなお母さんのおかげで、私は炊事洗濯、料理といった家事全般もひと通りはこなせるように育てられた。


「お母さんに感謝しないと」


ひとり言をつぶやきながら、私はクラスメイトに「おはよう」とあいさつをして上履きに履き替える。

中学生のときから在学しているこの学園は、数年前まで荒れていた。

生徒が自分の家の権力を利用して、気に入らない先生を解雇させるという横暴を働いていたのだ。

でもそんな問題を、国会議員になる前に、この学園で学園長を務めていたお父さんが改善した。