イケメン不良くんは、お嬢様を溺愛中。

「前はいつ撮ったのか、私の写真が入ってたし」

「それは盗撮って言うんだよ! どうしたら贈り物って発想になんだ……」

「その映りがなにげによかったんだよね。ありがたくもらっちゃった」

「……今までよく無事に生活できてたな、お前」

剣ちゃんは、私の下駄箱に入っていた薔薇をひとつ残らず昇降口にあったゴミ箱に捨てると、足もとに上履きを置いてくれる。


「ほら、床に画鋲とか、いろいろ落ちてっかもしれねぇから、踏んでケガしねぇように、さっさと履き替えろ」


剣ちゃん、優しいな。

というか、意外と面倒見がいいのかも。


「ありがとう。剣ちゃん、やっぱりいい人だね」

「……っ、無駄話してねぇで早く履け」


一瞬、言葉を詰まらせた剣ちゃんの頬は赤い。

言い方はあれだけど、本気で怒ってはないみたい……?

「はーい」


剣ちゃんの気遣いに感激しながら返事をして、上履きを履いていると、どこからか学くんの声がした。


「お前たち、どうして一緒にいるんだ」


声が聞こえたほうへ視線を向ければ、萌ちゃんと学くんが登校してくる。


「あの、これには深いわけがあってね。実は……」


怪しむように目を細めた学くんに、私は命を狙われていることを話した。

すると、あまり表情を動かさない学くんが気遣うように見つめてくる。