翌朝、食事の席に着いた私は剣斗くんの姿がないことに気づいた。


「あれ? 剣斗くんは?」


家の使用人に尋ねると、うやうやしくお辞儀をされる。


「まだお休みになっておられます。呼びに行ってまいりましょうか?」

「あ、ううん。私が起こしに行ってくるよ」


壁掛けの時計は午前7時半を指している。

そろそろ準備を始めないと、学校に遅刻してしまうので、私は2階にある剣斗くんの部屋に向かった。


「おーい、剣斗くん!」

扉をノックしても反応がない。

「失礼しまーす」


やむをえず部屋に入ると、剣斗くんはベッドにうつ伏せになって爆睡していた。

私はベッドに近づいて、思いっきり叫ぶ。


「剣斗くん、起きて! 朝ごはん食べそこねちゃうよ!」


私は剣斗くんの肩を揺り動かして、何度も声をかける。

すると、剣斗くんは顔をしかめた。