イケメン不良くんは、お嬢様を溺愛中。

「先生を呼びに行ったほうがいいんじゃない?」

「だめよ、とばっちりを受けるかもしれないでしょう?」


学園の生徒たちは遠目に眺めているだけで、見て見ぬふりをして通り過ぎていく者もいる。


「この学園の生徒なら、余るほど金持ってんだろ?」

「俺たちにも、お小遣いくれねぇ?」


かつあげをしている不良たちは、着ている制服からするに他校生だ。


「危ない! あの子がケガをする前に、止めなきゃ」


悩む間もなく反射的に駆け出そうとしたとき、剣斗くんが舌打ちをしながら私の肩をつかんで引き留める。


「わあっ」

「お前は引っ込んでろ。邪魔だ」


それだけ言って、剣斗くんは不良たちのところへ歩いていった。

すると、会話をすることもなく不良たちを一方的に投げ飛ばした。


剣斗くん、相変わらず強い!
でも、剣道三段、柔道黒帯の剣斗くんが本気を出したら、まずいんじゃ……。


不良たちをボコボコにする剣斗くんに、周囲からは悲鳴があがる。
私は慌てて不良たちの間に入ると、剣斗くんの正面に立ちふさがった。