イケメン不良くんは、お嬢様を溺愛中。

「執着かよ、気色わりぃ」

「剣斗くん!?」

「こいつは関わんねぇほうがいい人間だって、俺の本能が言ってんだ。間違いねぇ」
私の手を引いて、雅くんの横を通り過ぎる剣斗くん。

「そんな言い方しなくても……」


でも、助かった。
さっきの雅くん、ちょっと怖かったから。

気になって雅くんを振り返ってみると、やれやれという感じで肩をすくめて苦笑いしている。


「あいつの笑顔、胡散臭いんだよ」


言い切る剣斗くんに少なからず同じ感情を抱いていた私は、それっきりなにも言えなくなってしまった。



「おい、てめぇ!」


校門を出ると、物騒な怒鳴り声が聞こえた。

足を止めた私と剣斗くんは、襟をつかまれて学園の外壁に押しつけられている男の子を発見する。

瓶底メガネに、おどおどとした態度。

いかにも絡まれそうな男の子は、現在進行形で不良たちに容赦なく囲まれている。