イケメン不良くんは、お嬢様を溺愛中。

「おい」


私たちの会話を聞いていた学くんは、呆れたような表情で私を呼ぶと、説明しろと言わんばかりの顔を向けてくる。


「なんなんだ、あいつは」

「私の恩人だよ」


そう言って、私は親友たちにパーティーでの出来事をかいつまんで話した。


「でも、私は剣斗くんに嫌われちゃってるみたいで……」


あんなにあからさまに拒絶されると、さすがに落ち込む。

そんな私の肩を萌ちゃんがガシッとつかんだ。


「仲良くなるには、まずニックネームだよ!」


人に変なニックネームをつける癖がある萌ちゃんに、学くんはうんざりした顔をする。


「あだ名にする必要性があるとは思えないがな。普通に名前を呼べばいいだろう」


ちなみに、学くんは萌ちゃんに『閣下』というニックネームをつけられている。

だから乗り気じゃないというか、むしろ反対みたいだけど……。


「でも、ニックネームで呼ばれると特別な関係なんだなって思えるよね」


親しみやすい名前で呼ぶところから初めてみるのも、いいのかもしれない。


「うん、試してみる!」


せっかく再会できたんだから。
剣斗くんと仲良くなりたい。

その方法を見つけた私は、親友たちのおかげで少し気持ちが軽くなるのだった。