イケメン不良くんは、お嬢様を溺愛中。

「わーわー騒ぐな。即座にうせろ」


ぴしゃりと言いはなった剣斗くんに、教室は水を打ったように静まり返る。

群がるクラスメイトを黙らせた剣斗くんは席を立つと、なぜか私のところに歩いてきた。


「初めに言っておく」

「は、はい!」


その迫力と緊張感で、思わず立ち上がってしまった。


「親父と取引したからな、お前のことは一応は守ってやる。けどな、なれ合うつもりはねぇ」


そう念を押す剣斗くんに、私は首をかしげた。


「取引?」

「お前を卒業まで守り切れば、俺は親と同じ警察官にならずにすむ。晴れて自由の身になれるってわけだ」


じゃあ、剣斗くんは……。
取引があるから、私を守っただけってこと?

その事実に少しだけ寂しさを覚えていると、剣斗くんはさっさと自分の席に戻っていってしまった。