イケメン不良くんは、お嬢様を溺愛中。

「やばいやつが来たな」


学くんのつぶやきに、私は苦笑いするしかなかった。

最後に【以上!】と付け加えて、再びそっぽを向いてしまう剣斗くん。

こうして、ホームルームはお葬式のような静けさを残したまま終わった。



「えっと、剣斗くんはどこから来たの?」


ホームルームのあと、衝撃的な登場をしたものの剣斗くんは好奇心旺盛なクラスメイトたちに囲まれていた。

話しかけに行かなくても、女子の中には剣斗くんを遠巻きにうっとりと眺めている者もいる。

剣斗くん、イケメンだからなぁ。

私がしみじみと思っている間にも、剣斗くんを質問攻めにする声が聞こえてくる。


「お父様は、なにをしていらして?」

「この時期に転入なんて、どこかに留学でもしていたのかい?」


矢継ぎ早にクラスメイトに尋ねられて、剣斗くんはイラ立ったのかもしれない。
ガタンッと机を蹴って、クラスメイトたちに鋭い眼光を向けた。