駿也は学校の野球部と外の野球チームを兼部していて、朝練も早いのでいつも10時には寝ている。
(いいよね…駿也には何にも悩み、無いんだろーな)
私にとって嫌なのは、チカから内容の無いLINEが延々と送られ続けることだ。
〈舞唯ーっ、今何してんの?〉
〈今寝ようとしてたよ〉
〈そうなんだー
今日もね、めっちゃ駿也くんカッコよかったの♡〉
〈へぇー〉
〈舞唯って普段駿也くんとどんな事喋ってんの?〉
〈どうでもいいことだよ〉
〈てかさ、何で駿也くんって舞唯のことまいまいって呼んでんだろね?お互い名前呼びって…〉
〈覚えてないなー。幼稚園一緒だったからかな〉
〈うん、、きっとそうだねっ!〉
こういうLINEが、私にとっては辛い。
どうでもいいことだよね?駿也と私は何も関係ないか、確認されているみたいで…。
ブー ブー ブー
ビクッ。
(あぁなんだ、アコか)
彼女、本谷和恋は、向かいの小学校から来た春からの新しい友達で、今では私は彼女と一番仲が良い。
〈もしもし?アコ〉
〈もしもしー?夜遅くにごめんね!明日って体操服登校だよね?〉
〈うん、あとお弁当もいるよ〉
〈ありがとう!メモるの忘れちゃってさ!おやすみ!〉
〈あっ、おやすみ!〉
アコは性格が良く、ちょっと天然でしかも可愛い。
アコなら…駿也の彼女に向いてるんだろうな…
チカは、どうしてもそう思えない。
(………私は?)
私ならどうなんだろう。1番駿也の事を知っているのは…私だ。
(ダメダメこんな事考えちゃ…駿也は私の何でもないんだから)
はーっとため息をついて、私はベッドに腰掛けた。