「ねぇほんと駿也くんカッコよくない?!私、マジで、好きかも」
「…」
「ま、舞唯?」
「………あ、え?」
「ご、ごめん聞いてなかった…何?」
「え、えっと…私、駿也くんのこと好きかも」
「へ、へぇ…そうなんだ、応援するね」
「ありがと!舞唯がいると心強い!」
池上駿也は私の幼馴染。私自身は何とも思っていないけど、見た目はまぁいいし運動神経もいいので中学に入ってから何かとモテている。
「駿也ってめっちゃモテてるね…」
「え?」
そこでチカの声は太くなった。
「他にも駿也くんが好きな人がいるの…?…ねぇ、誰…教えて?」
「それは無理…あ、手洗ってくるね」
心無しかチカの目が冷たくなった気がした。