この重い空気に耐えられなくなったのか、急に後藤が俺の尻を蹴ってきた。

「いって・・・」
「もう蹴りたくなるわ、ナヨナヨしてて。」

今度は荒木が笑って膝カックンしてきた。

「なんだよ、やめろよ。」
「もう見てるこっちがイライラしてくるわ。やめろ、お前。お前に恋愛は向いてない。不器用過ぎる。」
「うるせえわ。」

やっと俺の口元が緩んだ。
ズシンと重かった頭が急に軽くなった。

ああ、俺やっぱ恋愛やめようかな、とふわっと思う。

だって今、沙和といても全然楽しくない。

青い空に視線を向けた。

明日の試合、もしかするかもしれない。
今はそっちに気持ちを持っていくべきなんだ。

やっと気持ちがそっちを向いた。