『なぁ、このウサギ』


有松さんの手が伸びてきて、うさぎのパンを私の顔の横に並べた。


『日比野に似てる』

そう言うと彼は眉を下げて笑った。


かあっと耳が熱を持つ。


『勇太、あんた食べすぎ!』

そう言ってケタケタ笑う声がフィルターがかかったように遠く聞こえた。


光が差し込む明るい店内。

パンのいい匂い。


彼がうさぎの耳をかじった。


NEXT

*CAFE MACCHIATO