「…上司として…心配ですか?」 いつか飲み込んだ質問が、こぼれた。 視界の隅。 室長が弾かれたようにこちらを見た。 心臓を掴まれるような緊張が体中を走る。 顔を上げられない。 「す、すみません、あの」 言いかけると言葉を遮られた。 『僕に、なんて言ってほしいですか?』 言葉の真意が読めず、顔を上げるといつもの優しい目と目が合った。