『そんなに笑うことか』
そう言って彼は眉を下げて笑った。
あ、笑った。
意外と笑顔カワイイ。
“悪魔”が見せた思わぬ一面に、思わず見入っていると、束の間、沈黙が訪れた。
彼は少し俯いて顔をしかめると、落ち着かない様子で首を触る。
彼の空気で、私はそれを察した。
『この間の、…』
「……パ、パン屋ですよね」
おそるおそる答える。
『ああ、パン屋だ。
今週末あたり行かないか?』
…き、きたー。
どうする、私。
必死で頭を回転させる。
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