COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―


「…ご、めんなさい」

彼を責めるなんてあまりにもお角違いな自分の行動に、自己嫌悪で身体中が塗り潰されていく。
訪れた沈黙の間も、彼は変わらずこちらを真っ直ぐに見つめた。

『…もういい』

そう呟くような小さな声が降ってくると、彼の手がこちらへ伸びてくる。

その指が唇に触れると、まるでこじ開けるように口の中へ差し込れられた。
歯にその柔らかい感触を感じたその時、彼の唇が重なる。

彼の指によって開かれた口の中に、直に感じる彼の舌の柔らかい感触。
けれどいつもとは違う、まるで私を責め立てるような深くどこか強引なそのキスは、息継ぎさえも許してはくれない。

応える隙すらも与えないそのキスに思わず彼の胸を手で押す。
彼の手がその手を捕らえるように掴むと、壁へと押し付けた。

今までに感じた事のない程強いその力に、彼の心の奥底が少しだけ見えた気がした。

唇が名残惜しそうに離れると、彼の熱っぽい視線が私を捉える。